限定承認でみなし譲渡による所得税が発生する理由(1)

今回は、限定承認をするに伴って発生する税金であるみなし譲渡(所得税)について記載をしていきます。

 

限定承認をした場合、相続税以外にも、みなし譲渡による所得税が発生することがあります。

被相続人にみなし譲渡(被相続人が相続人に対して譲渡したものとみなされる)による所得税が発生するのですが、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に相続人が準確定申告を行うことでその税額が確定し、相続人はそれを債務として相続する、ということになります。

 

その際、譲渡所得の金額の算定に当たっては、相続税評価額ではなく時価で譲渡収入を算定しなければならず、また被相続人(あるいはそれ以前)の取得価額が分からない場合は特に、譲渡所得、所得税の負担が高額となることがあります。

なお、譲渡所得の基本的な計算方法等についてはこちらでご確認ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm

 

そのため、相続税以外にも(譲渡)所得税が発生することを理由に、限定承認を避けようとする人も多くいらっしゃいます。

 

また、以下のような疑問を持つ人もいらっしゃるでしょう。

・限定承認をすると、なぜそんな余分な税金がかかるのだろうか?

・被相続人から相続人に対して「譲渡」したものとみなして所得税が課されるのであれば、なぜそれに加えて相続人が被相続人から「相続」したものとして相続税もかかるのだろうか(譲渡済みであって相続財産ではないのではないか)?

・相続人は「相続」したものとして相続税がかけられるのに、なぜ被相続人が想像人に対して「譲渡」をしたものとみなして所得税がかけられるのだろうか(相続したのであって譲渡を受けたものではないのではないか)?

 

このような疑問が出るのはごもっともですが、実は、限定承認に伴うみなし譲渡の規定は、相続人にとって単純に負担が増加するもの、というわけではありません。

むしろ、基本的には、相続人のための規定なのです。

 

次回に続きます。