相続土地国庫帰属制度とは?弁護士が注意点を解説(1)

「相続土地国庫帰属制度」は、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させる制度です。

詳しくは法務省のサイトを見て頂くとして、このブログでは、弁護士目線での注意点について、ご説明します。

 

これまでは、相続人にとって、こんな土地は相続したくないという不要な土地があっても、相続放棄をしない限り、そういった土地も含めて相続せざるを得ませんでした。

相続放棄をするとプラスの財産も一切受け継ぐことができなくなりますので、やむを得ず、そういった不要な土地も含めて相続をしていたわけです。

その結果、日本中に、相続はされたものの、適切に財産管理や登記がされないまま放置され、時間が経過する内に、誰が現在の所有者であるかも特定が困難な土地が多数発生してしまったのです。

これを解消するために、相続した土地を国に引き取ってもらう制度が設けられたわけです。

 

それでは、この制度につき、弁護士として注意すべきと考えている点について、説明をしていきます。

 

注意点①

相続又は相続人に対する遺贈によって土地を取得した人が申請人です。

したがって、相続等により土地を取得することができない法人は、基本的に本制度を利用することはできません。

 

注意点②

申請者本人が申請手続を行う必要があり、専門家に代理して行ってもらうことができません。

なお、弁護士、司法書士及び行政書士に書類の作成を代行してもらうことは制限されていません。

 

注意点③

承認申請に手数料14,000円がかかります。

却下、不承認になっても返ってきません。

 

注意点④

土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた後、土地の所有権が国庫に帰属させるには、一定の負担金を国に納付する必要があります。

負担金の額は、帰属の承認を受けた土地がどのような種目に該当するか、またどのような区域に属しているかによって、変わります。

1筆20万円が基本となりますが、具体的な負担金の額、算定式は、法務省のウェブサイトでご確認ください。

 

次回に続きます!

 

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