マンションの管理組合も納税をしなければいけないのか?

少し前に報道がされていましたが、マンションの管理組合が携帯電話の基地局設置や駐車場の第三者への貸出しなどで得た収入について税務申告をせず、後で税務署から申告漏れの指摘をされるケースが未だに多いようです。管理組合のメンバーが専門家ではなく、納税や申告をしなければならないことについて気づかないため発生するケースが多いようです。

この点に関して、国税庁のホームページでは、「マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定」、「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(照会)」、「マンション管理組合の課税関係」などが参考になります。

 

マンションの管理組合は、「(公益)法人」である場合と、法人ではない「人格のない社団等」である場合がありますが、法人税法においては、いずれの管理組合も同じ扱いになり、両者とも収益事業による所得については法人税が課されることになります。収益事業以外による所得については法人税が課されない点も両者に変わりありません。

ここでいう「収益事業」とは、「政令で定める事業で継続して事業場を設けて営まれるもの」を指しますが、その「政令」(法人税法施行令第5条)では、不動産貸付業、駐車場業を含めてかなり幅広く収益事業の範囲が定められています。

そのため、例えば、マンションの駐車場がマンション居住者専用であれば収益事業に含まれませんが、居住者以外の第三者に有料で貸し付けている場合は収益事業に当たり、その収入は法人税の課税対象となります。

 

また、消費税についても同じような結果となり、居住者以外の第三者に有料で貸し付けている場合の収入は消費税の課税対象となります(ただし、基準期間の1年間の収入が1000万円以下であれば、納税義務は免除されます。)。

 

したがいまして、マンションの管理組合でも、上記のような場合には、法人税(や消費税)の申告や納税をしなければなりません。なお、管理組合が(公益)法人である場合には、収益事業をしていない場合でも、住民税は均等割りについては申告、納付をしなければならないのが原則です(減免がある自治体もあります)。

 

申告漏れがあった場合の加算税等のさらなる負担を考えると、ぜひとも申告漏れがないようにしたいですね!