競馬脱税事件、民事訴訟の1審でも納税者側が勝訴しています

少し前のことですが報道によれば、いわゆる競馬脱税事件に関して、大阪地裁は先月2日、納税者が総額約8億円の課税処分の取消しを求めた民事訴訟(行政訴訟)において、納税者の主張を認め、納税者の馬券購入による所得は雑所得に該当し、ハズレ馬券の購入代金はその必要経費に当たるとして、課税処分の大部分を取り消す判決を言い渡した模様です。

判決文の内容を見れていないので、詳細なコメントはできませんが、刑事裁判でも1審・2審と納税者側が実質勝訴しており(現在は最高裁に係属中)、民事でもその流れに乗って、同様ないし類似の理由で今回の判決が出されたものと思われます。もっとも、国側はこの判決に対して控訴しており、少なくとも刑事事件の最高裁判決で明確な判断が示されるまでは、国は逆転を狙い全力を上げてまだ争うのだろうと予測されます。

ところで、この件に関して個人的に前から気になっていることがあります。

それは、今回の納税者は本業・勤務先があって副業的に競馬をしていたようで、そのために競馬の当たり券の払戻金が雑所得か一時所得かという形で裁判で争われているのですが、仮に納税者が本業の仕事を辞めて競馬の払戻金のみで暮らしていた場合には、この納税者の得た払戻金は一時所得や雑所得ではなく事業所得に当たると認定される余地があるのではないかという点です。また、仮にこの納税者が法人として競馬をしていた場合には(※合法的に法人化できるとした場合の話ですが。)、ハズレ馬券の購入代金も法人の経費、損金として認めざるを得ないことになるのではないのかという点も気になっています。

さて、これらの点についてはどうなるのでしょうね。

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