意外な課税(2):離婚の際に不動産を財産分与した方が納税をしなければならない場合がある!

 さて皆さん、離婚の際に不動産を財産分与した場合、税金はどうなるでしょうか?分与を受けた側が贈与税を納めることになるのでしょうか?

 

いいえ、正当な財産分与であれば財産分与を受けた側は贈与税を収める必要はありません(不動産取得税や登録免許税はかかります。)。むしろ、財産を分与した人に譲渡所得が発生し、所得税を収めなければならない場合があります。この点は勘違いをしやすいところですね。

財産分与をした人が不動産をその時の時価で譲渡したものとされ、譲渡による収入が取得価額や譲渡費用を超えて譲渡益が算出された場合には、譲渡所得が発生するため、所得税を納付しなければならないことになるのです。古くから持っている土地ですと、譲渡所得が発生する場合が比較的多いです。

なお、夫婦共有財産を離婚時に持分に応じて分割しただけでは譲渡があったものとはみないこととなっております。形式上一方の名義となっている共有不動産について、他方が不動産全体の分与を受けた場合は、分与した名義人の持分のみを他方に譲渡したものとして譲渡所得を計算することになります。

 

財産分与をすると譲渡所得が発生しそうな場合には、以下のような方法を検討する必要があると思いますので、税理士さんにご相談されたほうがよいでしょう。

所有期間5年を超える土地建物の譲渡については軽減税率が適用され、また離婚「後」に「居住用」の家屋等を分与する場合には、最大3000万円の特別控除やさらなる軽減税率の適用が受けられる場合があります。

また、結婚20年以上の夫婦間で、「離婚前」に居住用不動産又はその取得資金を贈与しておき、受贈者が贈与税につき2000万円までの配偶者控除(+110万の控除)を受ける方法もあります。

 

離婚の際の不動産の財産分与については、税金にもご注意を!

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