裁判離婚

離婚裁判:「離婚原因」があると裁判所が認めれば、離婚の判決が下される

 

 1審の裁判が終わるまでに1年以上かかることも多く、当初から2年くらい経過している例が多い。最高裁まで争われ、非常に時間がかかる場合もあり(中には5年程度かかる場合も・・・)、その間の婚姻費用の支払いが多額となることも多い(※婚姻費用は養育費よりも多額)。

 (手続き)

  • 調停と異なり、相手方だけでなく自分の住所地の家庭裁判所で裁判を起こすことができる(もっとも、移送の可能性があることには注意)
  • 相手方とどこの裁判所に訴えるかを合意しても、元々管轄のない裁判所で裁判はできないことに注意(調停・審判とは異なる)。
     もっとも、合意した管轄に基づいて家事調停が行われていた家庭裁判所であれば、そこでの裁判を認めてくれる場合がある。
  • 調停前置主義との関係で、裁判を起こすに当たっては、調停の「不成立証明書」又は調停不成立調書謄本を提出する(これらの書類は、調停不成立となった後、書記官に証明書の発行を申請する。要手数料)
  • 調停不成立から2週間以内に裁判を起こした場合、調停申立の際に納めた印紙代を引いた金額の印紙を納めればよい
  • 離婚の裁判には、財産分与、年金分割の按分割合、養育費などについても、あわせて裁判官に判断を求めることができる(附帯処分)。相手方配偶者や不倫相手方などの第三者に対する慰謝料請求も、一つの離婚裁判の中でできる。
  • 弁護士に依頼すれば、当事者が毎回出席する必要はない(調停等と異なる)
  • 事実関係は基本的には証拠の有無で判断される
  • 裁判所は、調査官による事実の調査を行わせることができ、「参与員」の意見を聞くことがある
  • 期日は1ヶ月ないし1ヶ月半に1回位の頻度で開催される

(判決等について)

  • 裁判所が判決で、離婚原因があると認めれば、請求は認容され(離婚できる)、認めなければ請求は棄却される(離婚できない)
  • 被告が離婚について認めれば、請求は認諾され、離婚が成立する。裁判中に離婚に応じる「和解」が成立し、裁判が終了することも多い。
     
    その場合でも、離婚請求に付帯されていた財産分与、年金分割、養育費などの請求については、裁判官は審判をしなければならい。
  • 離婚を認める判決確定・和解成立・認諾の後、10日以内に判決書等の謄本などを添付して離婚届を提出する必要がある。
  • 家庭裁判所の判決に対して不服があれば、高等裁判所に2週間以内に控訴ができる
    1審:家庭裁判所⇒(控訴)2審:高等裁判所⇒(上告申立・上告受理申立)3審:最高裁判所
  • 判決(却下を除く)の確定後、両当事者はその裁判で主張できた事実関係に基づいて再度離婚裁判をすることはできない《失権効》 !

Q 相手方配偶者から離婚の裁判を起こされたが、自分が被告になるのはおかしい、むしろ相手方に非があるなどと考えている場合、どうしたらよいか?

A 自分からの慰謝料請求を認めてもらうため、財産分与等の条件面を有利にするためなどの理由により、相手方に対する離婚の「反訴」(被告から原告に起こす裁判)を起こすことが考えられる

  1. 離婚、慰謝料、財産分与等の反訴
  2. 離婚原因はないとして争いつつ、仮に離婚が認められるのであれば、慰謝料・財産分与等を求める反訴《予備的反訴》

     ただし、予備的反訴の場合は、予備的とはいえ離婚原因があるとして反訴するため、裁判所が離婚を認める可能性は高くなる。あくまで離婚に応じたくないなら離婚の反訴は起こさず、被告の立場で予備的に財産分与の申立て《予備的財産分与申立て》をするに留めることも考えられる。