不倫の慰謝料について

時効について

 民法724条の期間制限に注意
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 慰謝料は不法行為による精神的損害の賠償金であるので(民法710条参照)、損害及び加害者を知った時から3年、行為時から20年で慰謝料の請求ができなくなる。
 もっとも、民法159条は、夫婦の一方から他方に対する権利については、婚姻解消時から6ヶ月経過までの間は、時効が完成しないとしているため、夫婦間では、原則として以下の時点で時効になる。

  1. 離婚自体慰謝料:離婚成立時から3年
  2. 離婚原因慰謝料:離婚成立時から6ヶ月又は離婚原因となった行為時から3年の遅い方の時点

不倫相手との関係について

  • 不倫相手の第三者も不倫をした配偶者とともに、共同不法行為者として慰謝料の支払義務を負う場合がある。不倫をされた方の配偶者は、第三者に対してのみ損害賠償金の支払いを請求することも可能。
  • 第三者への権利行使については期間制限に特に注意!民法159条は第三者への権利には適用がないので、原則どおりどんどん時効にかかっていく
  • 離婚前に夫婦の一方と第三者が関係を持った当時、別居後一定期間が経過し、既に夫婦関係が「破綻」していたのであれば、第三者は慰謝料の支払義務を原則負わない
  • 不倫相手が責任を負う慰謝料の額は、不倫が破綻の決定的な要因となっているか、不倫期間の長さ、不倫相手の年齢等、不倫相手と相手方配偶者との関係継続・子供の有無、不倫関係開始の経緯、相手方配偶者の責任を免除しているか等によって変わってくる。
  • 不倫をした配偶者と不倫相手の共同不法行為となる場合でも、どちらか一方から慰謝料の支払いを受ければ他方から支払いを受ける分が減少するという関係にあり、裁判で認められる慰謝料の総額が増加するわけではないことに注意する必要あり
     不倫相手又は相手方配偶者に対して慰謝料を請求すると、相手方配偶者又は不倫相手から既に慰謝料の支払いを受けていることを理由に支払い義務はないとして争われることがある。その際、前に支払われていたお金が慰謝料であったのか否かが問題となる場合がある。
  • 不倫をした配偶者は慰謝料の支払能力が乏しいが、不倫相手側には支払能力があるという場合には、不倫相手からの回収を試みるのもひとつの方法ではある
  • 不倫相手にも慰謝料の請求をするかはよく考えてから!実益が乏しいケースもある。
     不倫相手に請求をしても、裁判で認められる慰謝料の総額が増えるわけではなく、また不倫相手が相手方配偶者の言葉を信じて不倫していたような場合には、慰謝料は最終的に相手方配偶者の負担になることもある。また、不倫相手を被告とすると、相手方配偶者と積極的に口裏合わせを行われ、裁判がやりにくくなる場合もある。
 

Q 夫の不倫発覚後、反省している様子なので、妻は一応夫を許しそのときは離婚や別居に至らなかったが、数年後にこのことが主な原因となって離婚に至った。この場合でも慰謝料は認められるか?

A 不倫の事実は消えないため、慰謝料が認められるのが原則と考えられるが、慰謝料の請求権を全部又は一部放棄していたとみられたり、あるいは精神的損害の程度を低く見積もられるなどにより、慰謝料の額が低めに認定される可能性あり