遺産の調査をしたい!そんなときは

相続人の一人が遺産を全て握っており、他の相続人が遺産の内容を知りたくても教えてくれない、そんなケースが多くあります。典型例は、亡くなった親の実家の近くに住んで親の身の回りの世話をしていた子どもが、家を出て遠方に住んでいる他の兄弟には全く遺産の内容を明かさない、といった場合です。


こんなときに、他の相続人は遺産の開示を求めたいと考えられるわけですが、なかなか応じてもらえないことが多いものです。実は、相続人が他の相続人に対して遺産の内容等を開示する義務を負っている(法律上の開示・報告請求権がある)といえるだけの法律上の根拠も直接的には見当たらないのです。

では、他の相続人はどうすべきでしょうか?

すばり、自分たちで遺産やそのヒントを探していかなければならない!のです。

 

  • 公正証書遺言が存在しているかどうかは、全国どこの公証役場でも探せるはずです。まずはこれを探してみましょう。遺言書には遺産の詳細についても載っていることもあります。
  • 不動産については、固定資産税の納税通知書(固定資産評価証明書)、市町村の名寄帳、法務局の地図・登記簿などから特定していきましょう。
  • 預貯金については、特に死亡時や過去の住居の近くや交通の便のよい場所にある金融機関に問い合せ、戸籍など所定の必要書類を提出して、相続人として口座の残高や履歴、貸金庫の有無などについて開示を求めましょう。
  • 証券会社については、心当たりのある会社に相続人として問合せ(照会)してみましょう。
  • 保険は、預貯金の取引履歴から保険会社を特定して照会するか、保険協会に対する弁護士会照会などの方法で調べましょう。
  • 負債については、信用情報機関(銀行系、消費者金融系、信販会社系)に登録されている信用情報の開示を求めましょう。

    ※車については、ナンバーや車種が分かっていれば、弁護士会照会で車の登録事項証明書は取りつけられます。
    ※退職金については、勤務先への問合せ(照会)をしてみましょう。

以上の作業はある程度、相続人ご本人でもできます。

ですが、手続きのために各所への問合せ、資料の準備・手続などで時間を取られるのを避けたい、調査をより確実に行いたいということであれば、弁護士などの専門家に依頼することも考えられます。

そもそも、遺産の開示を行わない相続人がいるようなケースでは、遺産分割協議でもめる可能性も高いわけですから、遺産調査から引き続いて遺産分割協議、調停、審判までの手続きを一貫して弁護士に委任されることが適切な場合が多いといえるのではないでしょうか。

弁護士の場合、弁護士会照会という調査手法もありますし、遺産分割調停・審判の代理人になることもできます。


当事務所でもお引き受けしておりますので、費用等については「遺産の調査」のページをご覧ください!

 

問い合わせへのリンク画像
トップ・ページへのリンク画像