金融証券検査官とはどんな仕事?

 トップページに記載しておりますとおり、私は「任期付職員」として2年間、「財務局」にて「金融証券検査官」をしておりました。これらの言葉を簡単にご説明すると、以下の通りです。

 

  • ここでいう任期付職員とは、「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律」に基づき、5年以内の任期で国家公務員として採用され、勤務する者のことです。私の場合、任期は2年でした。
  • 財務局とは、財務省の地方機関で、国有財産の管理や金融機関等の検査監督などの各種業務を行っております。各種のいわゆる業法(銀行法、貸金業法、保険業法、信託業法等々)において、金融事業者に対する様々な監督権限や検査権限(行政処分の権限もあります。)が金融庁(や財務局)に認められており、金融機関等の検査監督は、これらの権限に基づいて行われております。金融機関等の健全性や適切な運営(昨今は中小事業者に対する円滑な金融の確保も重視されております。)を確保するためにこのような権限が認められているわけです。
     財務局は、財務省に属しているものの、基本的に金融庁から委任を受けて金融事業者に対する検査監督を行っているので、金融部門においては財務省に属さない金融庁が実質的な上級官庁であるともいえると思います。
  • 金融証券検査官は、財務局において、金融関連業者に対する法令上の検査を行う職員のことです。基本的には各金融機関に対して2~3年に一度は立入検査を行うわけですが、その立入検査は1ヶ月以上に及ぶものも多く、検査をする側はもちろん、受ける側にも大きな負担がかかります。

 実際の検査の手法、調査のポイント、進め方、期間等は対象となる金融機関の業種・業態によって大きく異なるのですが、広い意味で金融証券検査官の仕事は上記のようなものといえます。

 私も近畿財務局では色々な仕事をさせて頂きましたが、何回か実際に検査班に加わり、信用金庫、貸金業者、少額短期保険事業者に立ち入って検査を行いました。検査に行ったときに感じるのですが、検査をする側も内心ではどきどきしていることがあると思いますが、検査を受ける側の心労、負担は半端ではないな、と思います。今後は、弁護士として、また元金融証券検査官として、検査を受ける側の金融事業者のサポート・お手伝いができれば、と考えています。